英雄ナポレオンはなぜ強かった?彼の軍隊構成とその効率性を徹底検証!~機動力編~​

英雄ナポレオンはなぜ強かった?彼の軍隊構成とその効率性を徹底検証!~機動力編~

 フランス革命は有名です。ベルサイユの薔薇やああ無常などの名作の舞台となり、王政から民主主義へ移転する出発点となったこの時代は、魅力的であり熱狂的なファンが多いことも納得できますね。

 しかし!そのようなフランス革命も1792年の勃発時には、これ以上革命が広がらないように周辺の帝国、王国が対仏同盟を結成し対抗され危機に陥りました。まもなくプロイセンのヴィルヘルム二世がフランスに宣戦布告し、ライン川からプロイセン軍が侵攻してきます。

 これらの危機を乗り越えるために、フランスは急激な軍備拡張と、優秀な指揮官の獲得に大きな努力を費やしていました。このような激動の時代でナポレオンは昇進し皇帝まで上り詰めたわけですが、その過程で彼は約500万人の犠牲を出しながら約90パーセントの戦いに勝利し、フランスを危機状態からヨーロッパの最大帝国へと変革させます。

 ヨーロッパはこのような急激な権力の集中を体験したこともありませんし、彼の戦略に対抗する術も持ち合わせていませんでした。なぜ彼とフランス軍(大陸軍)は10数年間無敵だったのでしょう。今回はその様々な要因から数個協力な理由をピックアップしてご紹介します。

機動性

 

 今回は機動性について紹介します。

 18世紀、19世紀初頭の軍隊における最も重要なことは軍隊の大きさではなく、軍隊の熟練度でもなく、歩く速さであったといえます。当初は数万人という、全員を馬に乗せることはできない規模ですが、世界大戦時のように全ての戦線を兵隊で覆いつくせるほどの規模はない軍隊で戦争を遂行していました。そこで軍隊は徒歩の速度で相手の軍隊まで行進し、戦わなければいけないわけです。

 ナポレオンはこれを逆に利用するため、軍隊の機動性を上げる改善をしました。この改善活動の中で最も有名といっていい軍団システムは、極めて有用でありその後の戦争戦略にも受け継がれていきました。彼は数十万の軍隊を、軍団と呼ばれる1万人から5万人のグループに分け、行進するときは軍団どうしの間を1日で更新できる距離(30キロ以内)に保ちながら分散させました。このようにすると何本もの道を使いながら迅速に移動でき、危険に遭遇したときは一日以内に再集結し数十万人の軍隊になることができました。

 戦術とは、一点に全ての力をふるうことである。 ~ナポレオン・ボナパルト

 他には大陸軍が補給部隊をまたなかったという事実も機動力を上げています。大陸軍は食糧を遠征先の市町村から収集し、それらを食いつぶす前に次の肥沃な土地へ移動するということを続けました。民間人の犠牲は甚大ですが、こうすることによって後ろを気にすることなく進み続けられたのです。

 以上に加えてナポレオンは大陸軍に毎日鞭を入れ、1日30キロも舗装されていない地形を歩かせました。彼の部下であるダブーという元帥はアウステリッツの戦いのときに、彼の軍団を戦場へ間に合わせるために2日間で110キロ歩かせることができました。

ウルムーアウステルリッツ戦役で分かる機動性による勝利

 1804年にイギリスとスェーデンが第三次対仏同盟を始め、ロシアとオーストリアも加盟してフランスに宣戦布告します。対してナポレオンは大陸軍を東へ動かし、ウィーン向かいます。しかし迎え撃つオーストリア軍に加え、さらに東からロシア軍が、北からプロイセン軍が迫ってきているため危機に陥ります。

ここで最悪のシチュエーションは、連合軍が合流して、大陸軍を数で圧倒することです。そこでナポレオンは迅速に軍を動かし、連合国が合流できる前、さらにオーストリア軍指揮官であるマック将軍が油断している時にウルムで衝突することができたのです。

この時オーストリア軍は大陸軍がどこに位置しているかすら把握しておらず、マック将軍のもとには7万人いるのに対し、大陸軍は約20万人を戦場に持ってくることができました。より南アルプス山脈付近にカール大公が別のオーストリア軍8万人を指揮していましたが、進軍の遅さ、指揮系統の乱れ、大陸軍のブロックによってウルムに到達できませんでした。

こうしてナポレオンは孤立したマックの軍を迅速に包囲し、2万人を捕虜にとることができました。

 

 今回はここまでです!歩くことで勝つ!ナポレオンは近代では滅多にみることができない、ダイナミックで大胆な戦争を生み出しました。他にも世界史に興味がありましたら、こちらの記事も見てみてください!

https://news.clearnotebooks.com/ja/archives/3238

参考文献

  • https://unsplash.com
  • https://www.pexels.com/ja-jp/
  •  https://books.google.co.jp/bookshl=ja&lr=lang_ja|lang_en&id=IfezBgAAQBAJ&oi=fnd&pg=PP1&dq=napoleon&ots=d8u4xMtO1_&sig=bYVHGNRJhWBgqJ1T2g4q0bBXf2U#v=onepage&q=napoleon&f=false
  • https://core.ac.uk/download/pdf/36698436.pdf